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考察 自民党日本国憲法改正草案 財産権

2018/ 08/ 20
                 
 「辺野古遅延金1日2000万円」「承認撤回時 沖縄県に請求」「政府検討」には驚きました。

 米軍普天間飛行場の移設計画といえば聞こえはいいが、実態は辺野古に米軍基地を新設する工事。沖縄県の民意は辺野古に米軍基地をつくることを望まない。だが、合衆国の意向に沿いたい政府は工事を強行。

 翁長雄志前知事、今となっては生前最後の決断。
 先月7月27日に埋め立て承認を撤回する方針を示しました。

 そして翁長さん亡き今、政府は沖縄県に脅しをかけてきました。

 ほんとうに沖縄県が承認を撤回して、政府が裁判所に撤回の執行停止を申し立てることになり、裁判の結果、政府が勝訴したら、工事遅延損害金として沖縄県には1日当たり2000万円支払ってもらいますよ。

現行憲法
第29条 財産権は、これを侵してはならない。
② 財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。
③ 私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。

自民党日本国憲法改正草案
第29条 財産権は、保障する。
2 財産権の内容は、公益及び公の秩序に適合するように、法律で定める。この場合において、知的財産権については、国民の知的創造力の向上に資するように配慮しなければならない。
3 私有財産は、正当な補償の下に、公共のために用いることができる。


 ポイントは第2項です。

 現行憲法では、財産権の内容は「公共の福祉」に適合するように定められますが、自民党案では、「公益及び公の秩序に」適合するように定められます。一見、「公共の福祉」を「公益及び公の秩序」という分かりやすい言葉で言い換えただけのように思われますがそうではありません。

 誰もが人権を保障されているけれども、人権と人権が衝突した場合、その衝突を公平に調整するための働きを「公共の福祉」という言葉で表現します。どのような解決策が、どちらにとっても妥当と考えられるか。人権相互をいい具合に調整する。これが「公共の福祉」です。

 卑近な例をあげれば、言論の自由はあるけれども、他の人に対してのべつ幕なく悪口雑言を行うことは許されません。悪口雑言は制限を受けます。

 現行憲法で財産権を制限する場合、「公共の福祉」という概念のもと、その制限はかなり慎重に行われなければなりませんが、自民党案の場合、字句解釈通り、その制限が「公益及び公の秩序に適合」すると為政者が考えれば、有無を言わさず制限することができそうです。

 「財産権の内容は、公益及び公の秩序に適合するように、法律で定める」とは、為政者にとって都合のよい条文です。自民党案への改正が成立した暁には、

 普天間飛行場を辺野古に移設することは、日米安保体制を維持するうえで欠くべからざる行為であり、それは「公益及び公の秩序に適合」する。したがって、政府は懈怠なく移設工事を進めなければならない。・・・ 沖縄の民意が斟酌されることはなかった。

 為政者は上記のようなシナリオを描いているのかもしれません。基本的人権を国家権力から守るために制定されるものが憲法です。律令制下の令ではありません。
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